漢字七不思議

<漢字七不思議 其ノ陸>

「用途不明の漢字」


どうも皆さん、こんにちは。






今回もマニアックな小話をします。


ぜひ気軽に見ていって下さいね。






あ、えっと、「前回までの雰囲気は?」ですか…






もう挫けました。









やっぱり慣れないことはするもんじゃ

ないですね。



誰も求めてないのに勝手にやって怪我してるだけですからね。




















さて、今回は「用途が分からない漢字」の話をします。




今皆さんの画面上に映っているこの漢字は

「JIS基本漢字」として登録されているため、

PCやスマートフォンで打ち込めるわけです。




もちろん、JIS基本漢字として登録される漢字は

用途があり、かつ確かな典拠があることが望まれるわけです。




でも実際、登録されているものの中には、

「なぜ登録されたのか分からない謎の漢字」

が紛れていたりします。




例えば下のような漢字ですね。


出典:http://blog.livedoor.jp/itomata/archives/3852946.html




上記の漢字は通称「幽霊文字」

呼ばれています。






では、なぜこのような漢字が生まれてしまったのでしょうか。






まずは、「妛」に着目してみましょう。

この文字は、いわゆる誤字であり、妛という字は漢字にも国字にも存在しない。

(中略)

この字は本来は、山女の2字を縦に書いた「𡚴」という字で、「あけび」と読む国字だった。これは滋賀県の通称地名に存在し、この地名などが由来となった字である。

しかし、JIS C 6226-1978を作成する過程において作字をした際、山と女の紙をそれぞれ貼り付けた時に紙の影が写り込み、それが不幸にも一本の横棒に見えてしまい、もってJIS漢字には山女ではなく、山一女として収録されてしまった。

出典:通信用語の基礎知識 - 「妛」











・・・要するに、ただのミスである。











続いて、「挧」に着目してみましょう。

この字は、JIS漢字にも収載された「栩」(59区59点)の誤写ではないかとする説が有力である。

(中略)

誤字の元字と考えられる「栩」は、地名にある。

かつての「徳島県麻植郡美郷村大字東山字栩谷」後の「徳島県吉野川市美郷栩谷」や、「京都府京都市北区西賀茂栩谷」などに用例がある。

出典:通信用語の基礎知識 - 「挧」











・・・これも、ただのミスである。











「椦」

この文字は、いわゆる誤字である。

本来は「橳」(木偏に勝の旧字体)と書き、「ぬで」と読む字だった。これは文字採録時に、群馬県前橋市橳島町(ぬでじままち)の橳(ぬで)を誤写したものと考えられている。

出典:通信用語の基礎知識 - 「椦」

「暃」

この文字は、いわゆる誤字であると考えられている。出典が「国土地理協会 国土行政区画総覧(1951年初号、加除式で現在に至る)」とされているが、そこにこの字がないため、幽霊文字として扱われている。

出典:通信用語の基礎知識 - 「暃」

「壥」

幽霊文字について調査した資料、「JIS X 0208:1997附属書7(参考)」の「区点位置詳説」、288ページの2.88は、「典拠 対応分析結果に見えず。収録典拠不明。土偏を欠く字体が、対応分析結果に見える(付属書7図37)。この字は、土部の13画に分類されているので、字体の誤りの可能性がある。」としている。

出典:通信用語の基礎知識 - 「壥」
















「椦」も「暃」も「壥」も・・・





























やはり、こうなる運命のようだ。




かつての暗雲・・・









戻って来てしまいましたね。



















編集者のミスで"用途のない漢字"

生まれてしまった。




だが、用途がないなら「無視すればいいのでは」

と思う方もいると思うが、事はそう単純ではない。




この影響を大きく受けたのは漢字辞典だ。


(中略)

そこで、各社の漢和辞典は、競って改訂してJIS漢字を全部収録し、そのことをうたい文句とするようになりました。ところが、幽霊文字を収録しないことにすると、そのうたい文句がウソになってしまうのです。その結果、発音も意味も不明なのに漢和辞典に載っている漢字がある、という奇妙な現象が生まれたのでしょう。

幽霊文字は、漢字というものを公的な基準に仕上げる際の難しさと、コマーシャリズムの不可思議さとを記念して、これからも末永く、漢和辞典の片隅に掲載され続けることでしょう。

出典:漢字文化資料館 - Q0349






大人の事情で、「意味も典拠もない漢字」

を辞典に載せることになってしまった。




もちろん、"典拠不明な漢字"自体は

元から存在するが、

"典拠があるわけがない漢字"を載せるのは

辞典としてどうなのだろうか。




そしてもう一つ、この"亡霊"を消せない理由は

Unicodeにある。


(中略)

また、Unicodeとの互換性を維持する必要もあった。調査時点において1993年制定のUnicode 1.1には既にJIS基本漢字がすべて収録されており、この時期になっての変更は、単に国内だけの問題に留まるものではなかった。

(中略)

このようにUnicodeをはじめとする他規格との連繫はさらに複雑なものとなっており、規格変更という形での対処はやはりより大きな混乱をもたらす恐れがある。

出典:JIS X 0208 - Wikipedia






少々分かりづらい話かもしれないが、

要するに一度決めたものを変更するのは

容易ではない
のだ。

正直私もよく分かっていない




たとえミスでも・・・。














やはりどんな分野でも、

深入りするとが見えてくる。




知れば知るほど"嫌になる"だろう。




そして貴方は

これから何処へ向かうのか・・・。




・・・。
























もう逃げられないぞ
























もうオチが思いつかないぞ